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6大栄養素

炭水化物(糖質)

炭水化物というとごはんやイモなどをイメージすると思いますが、実はこれらはヒトの消化酵素で消化される「糖質」と、消化されない「食物繊維」を併せて炭水化物と呼ばれています。

「糖質」は、果物に含まれるブドウ糖などの「単糖類」、ショ糖(砂糖)などの単糖が2~10個結合した「少糖類」、米やイモなどに含まれ単糖が鎖状につながった「多糖類」の3種類に分けられます。

「糖質」はエネルギー源として重要ですが、種類によってエネルギーになるスピードが違います。単糖類や少糖類はすぐにエネルギーに変換される一方、多糖類はゆっくり吸収されるため、徐々にエネルギーに変換されるのです。疲れた時に、チョコレートなどすぐにエネルギーになりやすい食品を摂ったほうが良いというのはそのためです。

糖質の代表的な種類

脂質

脂質には、オリーブ油のように常温で液体のものと、バターやマーガリンのように固体のものがあります。1gで9キロカロリーあり、効率の良いエネルギー源となるだけでなく、ビタミンAやビタミンDなどの脂溶性ビタミンの吸収には不可欠な存在です。

しかし、現代の食生活では食の欧米化などにより脂肪過多になりがちです。過剰な脂質は、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病になるリスクを高めるため注意が必要です。

ただし、脂質の摂取を極端に避ければ良いというわけではありません。1日に必要な総摂取エネルギーのうち、20~25%未満を脂質から摂るのが良いと言われており、不足しすぎると肌荒れやエネルギー不足による疲れなどを引き起こす場合もあります。

また、脂肪を構成する脂肪酸には、体内では作ることのできない必須脂肪酸もあるため、食事から適切な量を適切なバランスで摂取することが大切です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
脂質を構成している脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分けられます。

飽和脂肪酸
「飽和脂肪酸」は、肉や乳製品をはじめとした動物性食品などに多く含まれています。過剰に摂取すると、悪玉コレステロールや中性脂肪が増えて生活習慣病の原因となるので、摂り過ぎないことが大切です。

不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸にはいくつか種類があり、大きく「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けることができます。オリーブ油に多く含まれる「オレイン酸」は代表的な「一価不飽和脂肪酸」で、血中の中性脂肪やコレステロールの低下などの働きを持っています。
一方、「多価不飽和脂肪酸」は、「
n-3系脂肪酸」と「n-6系脂肪酸」に分けられます。いずれも体内では合成できず、食事から摂取する必要があることから「必須脂肪酸」と呼ばれています。「n-3系脂肪酸」には、魚の油に多く含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」、しそ油やなたね油(キャノーラ油)に含まれる「α-リノレン酸」などがあり、「n-6系脂肪酸」にはサラダ油やべに花油に多く含まれる「リノール酸」やレバーなどに多く含まれる「アラキドン酸」などがあります。


厚生労働省ではこれらの脂肪酸を摂取する際の目標量・目安量
※1 を定めており、1日に摂取する総エネルギーに占める割合に対して「飽和脂肪酸」は7%以下を目標量としています。
また、「
n-6系脂肪酸」は1日10g、「n-3系脂肪酸」は1日2.1gが目安量として定められています
※2 
このようにさまざまな種類があり、たくさんの働きをする脂肪酸はその質と量を見極め、バランス良く摂取することが重要です。

代表的な脂肪酸の種類

※必須脂肪酸

※1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
※2 30~49歳の男性の目標量

たん白質

肉や魚、大豆などに含まれるたん白質は、体の筋肉や臓器、血液の元となっているだけでなく、体の調整機能を持つさまざまな酵素やホルモンなどの原料でもあります。体を構成するたん白質が不足すると、体力や免疫力の低下、成長障害を起こす可能性もあります。

ヒトの体は約10万種類ものたん白質で構成されていますが、これらはわずか20種類のアミノ酸によって作られています。アミノ酸のうち、9種類は体の中で作ることができない「必須アミノ酸」と呼ばれており、食事から十分に摂取する必要があります。また、必須アミノ酸は組み合わさって働くため、それぞれをバランス良く補うことが大切です。

アミノ酸バランスが良い状態

アミノ酸バランスが悪い状態

ビタミン

ビタミンは体の機能を調節するのに不可欠な物質で、現在13種類あります。その種類は水や油脂への溶解度の違いにより、「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」に分けられます。

多くのビタミンは、3大栄養素(炭水化物〈糖質〉、脂質、たん白質)の代謝を円滑に行わせる潤滑油のような働きをしています。さらに、血管や粘膜、皮膚、骨などの健康を保ち、新陳代謝を促すという働きもあります。

ビタミンの種類